テレビで有名になった、ヨコミネ式教育の横峯吉文さんが書いた本です。

ヨコミネ式で育った子は、自立心を持っていて自発的に学習をしますし、跳び箱は13段、逆立ち歩きまで出来てしまうという、ものすごい結果が出ています。
こんな感じです。

私達はそれを見て「すごい!」と思ってしまいますが、本来子供はそれくらいのポテンシャルを持っているわけです。
それをどうやって引き出すか?
それは周りの大人たちが子供にどういう環境を与え、どう接していくかで変わってきます。

最近は褒めて育てることが脳に良いということで、褒めることを中心に語られることが多いですが、ヨコミネ式では「褒める」よりも「見守る」ということを大切にしています。

「見守る」というのは、子供の存在自体を「認めている」ということ。

「褒める」とやや似ていますが、「良く出来たね」と良し悪しを判定するのではなく、ありのままを尊重することです。
子供にとってそれは安心感を与えることに繋がります。

単に目先のことを「褒める」ということ以上に、自立心を促す安心感を与えているからこそ、ヨコミネ式の子供達はどんどん成長していくんでしょうね^^

そして「見守る」ということをするためには、「甘やかし」を捨てなければいけません。
横峯さんが常々言うことは

「子供は絶対に甘やかさないで」

ということ。
私はこの本を読んで、「私はまだまだ甘やかしが多いな」と感じました^^;

3歳を過ぎたら赤ちゃん扱いをしない

横峯さんは、「3歳を過ぎたら抱きしめは卒業!」と言います。
3歳を過ぎたら、どの子ももう人間としての自立が始まっているわけです。

普通は、子供の頃の肌と肌を合わせるスキンシップって大切だと思いますよね?^^;
でもそれは赤ちゃん扱いすることと同じことです。

スキンシップをしなくても親の愛情を与えることはできます。
それは、しっかりと見守ること。

子供の変化をよく見、認めてあげることです。
2歳まではスキンシップで良くても、3歳以降はこちらにシフトしていくことで成長を促すわけですね。

自立への道は3歳には始まっているわけです。

甘やかすことは親の自己満足。
深い愛情があるなら、将来の自立に向けて厳しく育てることが必要です。

ありがちな甘やかし例

愛情を与えているのか、甘やかしになるのか、その判断は難しい場合があります。
私も甘やかしはしないよう気をつけていますが、後々考えたら「あれは甘やかしだった」と思うこともしばしば^^;

「甘やかし」は、子供が伸びようとする力を抑え込んでしまう行為です。
大人が子供の足を引っ張ることをしてはいけませんね^^;

この本に、甘やかしの目立つ例が4つ挙げられていました。

子供の我がままに安易に手を差し伸べる

「あれが欲しい!」

としゃがみ込んで大泣き。
よくある光景です^^;

諭しても聞かずに泣きやまない子もいるでしょう。
どんなにそれがかわいそうに見えても、それは子供の我がままを通そうとしているだけです。

強い愛情を示すなら、親が折れないことが大切です。
泣かせっぱなしにしておけば、やがて泣きやみます。

根気が要りますが、待たなければいけません。

手を差し伸べたくなるのは、愛情ではなく、泣いている子供を見ていられない親のエゴということですね。

また、レストランや電車の中で走り回ったりするような他人に迷惑をかける行為はその場できちんと叱ってやめさせなければいけません。

「見守る」「認める」ということを、こういう間違ったところで発揮してはいけませんね^^;
明らかにダメな時は叱りましょう。

欲しがる前から与える

子供が「欲しい」と言っているわけでもないのに、お菓子やおもちゃなど、どんどん買い与える人もいます。
これでは物の価値がわからなく育ってしまいますし、無かったらどうするのか、考える力が育ちません。

物がないことで、何か手に入れる方法はないか、他に工夫して代用できないか考えるようになります。
または我慢することも覚えます。

「何でもすぐに手に入るものではない」ということを学んでいないと、子供は先々苦労します。

できないとすぐやめさせる

子供がやろうと試みているのに、ちょっとできないだけで「この子には向いていない」と辞めさせる親がいます。

できないのは、単にやり方が間違っているか、練習の量が足りないか、それだけです。
物事は根気良く続けて上手くなるものです。
とにかくできるまでやらせてみるという姿勢が大事です。
できないことができた時の達成感こそが子供を確実に成長させます。

また、すぐに手伝ってあげたり、先回りするのも同じです。
自分からやろうとしているのに、すぐに口出し・手だししていては、自分でやろうという意志をつぶします。

できない場合は先回りしてやってあげるのではなく、できない原因を考えながらも見守ること。
そして、どうしても出来ない時にうまくやるためのアドバイスをすると良いのです。

いつまでも「○○ちゃん」、「○○くん」と呼ぶ

「○○ちゃん」「○○くん」、と呼ぶのは一見普通のことに思えますが、横峯さんがいうにはこれも甘やかしになるそうです。
ヨコミネ式では子供は3歳を過ぎたら自立し始めるので、これは赤ちゃん扱いになるんですね。

なので自立し始めたら名前は呼び捨て。
これが良いそうです。

あと、使い終わったものを片付けるのは大人なら当然のことです。
それは子供でも一緒です。

子供が自分でするべきことなのに、優しい声で
「遊んだおもちゃは、お片付けしてくれる?」
と言うのも無用とのこと。

言うのがダメなのではなく、大人に話しかけるような口調で良いのです。

このように、赤ちゃん扱いしない態度は、子供の成長を認めるということです。
親に認められることがわかると、子供はますます成長します。

ダメなものはダメ!10歳までは親の言うことを聞かせることが最も大事

子供の我がままに付き合うことは本当の愛情ではありません。
愛情があるなら、ダメなものはダメと厳しく叱る必要もあります。

そのように、親が自分のポリシーを持ち、折れないということは大切な姿勢です。

厳しく叱り、親の言うことは絶対だという意識が植え付けられてこそ、親のいうことに耳を傾けます。
そのような状態になって、しつけや道理を教えられるわけですね^^

もちろん、それは親自身に自分のポリシーや信念、考え方がなければ成り立ちません。

しつけは学校ではなく、家庭で学ぶものですので、それが出来るのは親しかいません。
自分にも厳しく、子供にはきちんと教える、というのは昔ながらではありますが良いやり方だと思います。


私はこの本を読む前、子供が手こずっているとすぐにアドバイスする傾向がありました^^;
もうちょっと待たなければいけませんね><

親の仕事は「教える」ではなく、子供がやる気を起こすようにあの手この手で仕掛けて子供を辛抱ず良く見守り、ときにはヒントを与えながら自分で結果を出すのを「待つ」ということ。

反省の意味を込めて、もうちょっと見守り力をつけたいと思います。

この本は他にも学んだことがあって、男の子と女の子の育て方の違いや、ヨコミネ式で教えている「読み・書き・計算」ができるようになる具体的な手順なども書かれています。

子育ては「どれが正解」というものではありませんが、「見守り力」というのは子育ての原点だと思います。

ヨコミネ式にはヒントになるものがたくさんありますね^^