最近、褒めて伸ばす教育が流行っていますが、褒められることの効用が遂に科学的に証明されたようです。
参考:「"褒められる"と"上手"になる」ことを科学的に証明 | 大学利用機関法人 自然科学研究機構 NIPS 生理学研究所
褒めて伸びるならどんどん褒めたいですよね^^
でも、何でもかんでも褒めれば良いというものではありません。
単に、「良い成績を取った」とか、「挑戦したらできた」とか、そういう時に褒めることを想像しがちですが、大事なのはそこじゃないんです。
日々生活していく上でそんな出来事ばかり発生しませんし、人間のコミュニケーションはそんなに単純ではありません。
変な褒め方をすると「甘やかし」になって、良くない方向に進むこともあります。
褒め方にはコツがあるんです。
褒められた時に脳で何が起こるか?
最近は脳科学の発展が目覚ましく、脳の機能を調べる研究が行われるようになってきています。
そして、脳の血流量を調べることで、脳の何処が活性化しているか解るようになっているんです。
ある研究所で、「子供がお母さんに褒められた時に、脳はどうなるか?」という実験が行われました。
手順は、子供に装置をつけて、何かお絵かきや粘土作りなどをしてもらい、横でお母さんが褒める、という方法です。
それによると、具体的に褒めたところで脳の前頭葉が活性化したんですね^^
前頭葉は脳の最高中枢で、思考や感受性、学習意欲などを司ります。
このようなことから褒めることは、子供のやる気を引き出し、情緒豊かな子に育ちやすいと考えられているんです。
ただしもう1つ、感情を込めずに淡々と形式的に褒めると、あまり血流が流れず、前頭葉は活性化しないという結果が出ました。
よく、家事などで忙しい時に子供が何かを見せにきたのでそれを片手間で褒めるというケース、よくありがちですよね^^;
それは褒めていることになりません。
なので、褒めるなら子供をきちんと見て、感情を込めて具体的に褒めることが大切です。
「結果」や「賢さ」よりも「努力」を褒める
褒める時のもう一つのコツは、「結果」や「賢さ」を褒めるよりも「頑張った過程」を褒めるということです。
「上手に出来たね」
「○○ちゃんは天才だね」
というのは結果や賢さを褒めています。
それに対して
「毎日一生懸命練習したからできるようになったね!」
というのは、努力を褒めています。
結果や賢さを褒めることがいけないわけではないですが、やり過ぎると弊害があるんです。
それは、以前こちらに書きました。
「結果」や「賢さ」を褒めた場合と「努力」を褒めた場合の実験結果も出ています。
「結果」や「賢さ」を褒められた子供は、自分を賢く「見せる」ことに気持ちを向けるようになり、間違いをおかすリスクをとれなくなるのです。
「結果」を褒められて育つと、結果こそが全てなので、失敗を恐れるようになります。
「賢さ」を褒められて育つと、出来なかった時は自分の能力が低いせいだということになり、自分の存在を否定することに繋がります。
それは認められないので、簡単に結果が出す方で自分の存在をアピールするのです。
なので、プライドだけが高くなり、失敗を極端に恐れるので、難しいことにチャレンジしなくなり、成長が止まってしまうのです。
失敗してもそれを無視してなかったことにしたり、他人や環境のせいにしたりするかもません^^;
自分の能力はこういうものだと、固定的に見るようになるんですね。
それに対し、「努力」を褒められて育った子は、失敗してもくじけず、失敗した原因を調べ、失敗から学びながら何度でも頑張ります。
「やればできる!」ということを経験的に学ぶのです。
こちらは、失敗を成長のチャンスと捉える成長志向で見るようになります。
褒め方のコツを紹介しましたが、このような褒め方を実践するには、子供の変化をきちんと見ていないとできません。
褒めるにもある意味根気がいるのです。
そして、褒めることと同時に、どういう時に叱るのか?にも注意を払わないといけません。
失敗に寛容になり、よりよく失敗させることが大事ですね^^