「いい子に育つ仏のことば」という本を読みました。
花園大学の元学長で、 興福寺という臨済宗のお寺の禅僧の、西村恵信先生の本です。
興味深いお話ばかりでした^^

仏教のことは今まであまり知らなかったのですが、
仏教はキリスト教のような神様を仰ぐ宗教ではなくて、
心の内側を磨いていく、より哲学に近い「自覚の宗教」だったんですね。

そしてこの本は、子供を育てる親がどのような態度でいるべきか?ということが、
仏の教えに沿って、西村先生の実体験などを交えながら書かれている本です。

紹介したいことがたくさんあるのですが、その中から一つ、
「自由と自恣(じし)の違い」について紹介します。

「我が子を自由に伸び伸び育てたい」と思っている方は、
ぜひ知っておきたい内容です。


"自由"という言葉は誰でも知っていると思いますが、
"自恣(じし)"という言葉は知らない人も多いと思います。

"自恣"は、「自らをを恣(ほしいまま)にする」という意味で、
欲のままに生きるということです。

それに対して"自由"は、「自らに由(よ)る」という意味で、
欲望に引きまわされることなく、自らの意志で行動するということです。

この本では、自由と自恣の違いを、親も子もしっかりと知るべきだと説いています。
非常に大切ですね^^

"自由"は自ら考え、決断し、行動することので、そこには必ず責任が伴います。
好きなようにして良いけれども、何かあれば必ず自分で責任をとらせる、
そのような主体的な行動をとれるように導くが親の役目と言えるでしょう。

しかし、"自恣"には"責任"が生まれません。
たまに、

「他人に迷惑をかけなければ何をしてもよい」

という人がいますが、それは"自由"ではなく、"自恣"ですね。

欲望のままに行動して、仮にそれで欲しいものが手に入ったとしても、
それによって欲深さが増してしまいますので、次の欲望が生まれてしまいます。
それが連鎖すると、いつまで経っても不自由感に苛まれてしまうわけです。

そうならないようにするためには、自由と自恣の違いをしっかりと認識した上で、
自由な行動を支持する必要があります。

自由な行動をするには、最低限のしつけ、礼節、マナーは必要です。
それが出来た上で"自由"な行動ができるで、
出来ていない行動は"自恣"でしかなく、単なる"甘やかし"なんです。
親の子育ての怠慢とも言えるでしょう。

時には「ダメなものはダメ!」ということを教えるのも大切です。
逆に、やろうとしていることを見守るのも大切です。

その判断は、自由に基づく行動なのか、自恣に基づく行動なのかを区別できていれば、
どういう時にどう判断するのかわかりやすくなりますね^^

この本は、その他にも素晴らしい教えが満載です。
ぜひ読んでみることをオススメしますよ^^