子どもに対する褒め方、叱り方って難しいですよね^^;
最近は褒めて育てる方法を実践している方もいると思いますし、
私もそちらのやり方を推奨していますが、勘違いして欲しくないことは、
何でも褒めれば良いというものではないということです。
逆に、厳しく叱ってばかりも良くありません。
褒める数でもなく、褒めるか叱るか二元論の問題でもないんですね^^
何に対して褒めたり叱ったりするかというところに着目することが大切です。
特に叱る時は注意を払う必要があります。
そして質の良い褒め方・叱り方をするには、ニューロ・ロジカル・レベルに基づいたやり方をすると良いでしょう。
コミュニケーションに関する心理学、NLPの中でも推奨されています。
ニューロ・ロジカル・レベルとは?
ニューロ・ロジカル・レベルは、名前だけ聞くと難しいですね^^;
ニューロ・ロジカル・レベルに基づいたコミュニケーションは、
子どもに限らず、人の能力を伸ばすのに有効かコミュニケーション法です。
主に5つの段階に分かれていて、
レベルは図のように、5段階の階層になっています。
- 自己認識・アイデンティティーレベル(Who)
- 信念・価値観レベル(Why)
- 能力レベル(How)
- 行動レベル(What)
- 環境レベル(Where,When)
アイデンティティーレベルが最上位階層で、上の階層に行くほど、
自分の深層心理、つまり自分にに近づきます。
上の階層は、下の階層に影響を与えます。
つまり、信念や価値観が変わると行動が変わりますし、
環境の変化も生みだします。
今起こっている問題がどのレベルの問題なのかをきちんと把握し、
それに対応するレベルに合わせてコミュニケーションの仕方を考えるというものです。
なので、上の階層でコミュニケーションをとることは、相手の意識に与える影響が深くなるということになります。
使い方はまず、起こった問題や出来事が、どのレベルなのかを把握します。
そして次に、そのレベルに合わせた言い方でコミュニケーションをします。
必ずしも上のレベルが良いというわけではなく、
褒め方、叱り方でうまく使い分けなければなりません。
ポイントは、
- 褒める時・・・・出来事のレベルより上のレベルで褒める
- 叱る時・・・・問題のレベルと同じレベルで叱る
ということです。
褒める時の具体的な例
サンタが贈るお母さんの教科書―あなたがママなら大丈夫!という本に、
解りやすい例が載っていたので、紹介します。
例えば、子供がピアノを弾いて聴かせてくれたとします。
そうすると普通は褒めたいところですが、まずは出来事がどのレベルかを把握します。
「ピアノを弾く」というのは、「行動レベル」ですね^^
その時の褒め方として、以下のようなものが挙げられます。
- 「素敵なグランドピアノを持っているんだね」(環境レベル)
- 「○○ちゃんって、ピアノを弾いてすごいね」(行動レベル)
- 「あなたは人に感動を与えようと思ってピアノを弾いているんだね」(信念・価値観レベル)
- 「あなたは本当に素敵なピアニストだね」(アイデンティティーレベル)
どうでしょうか?
番号の高い褒め方ほど、言われると嬉しくありませんか?^^
ピアノを弾いて、「良いピアノを持ってるね」と、ピアノを褒められるよりも、
自分がピアノを弾けることを褒められた方が嬉しいと思います。
そして、ピアノが弾けるということよりも、何のために弾いているのかに気づいてもらうと、
そちらの方が嬉しいと思います。
自分の価値観を褒められるよりも、存在自体を褒められる方がもっと嬉しいと思います。
子どもは、「ピアノを弾く」という行動を見せてくれたのですから、
行動レベルの褒め方をするのは普通なことですが、褒め上手な人は、
もっと上のレベルを見ているのです。
褒める時は、どんどん上のレベルで褒める理由を探すと良いですね^^
叱る時の具体例
叱る時は、褒める時よりもデリケートで、非常に難しいものです。
なので、よく考えてから叱る必要があります。
子供がやった問題のレベルより、叱るレベルが低いとなかなか心に響きませんし、
叱るレベルが問題のレベルより高いと、心を傷つけてトラウマを作ってしまいます。
なので、問題のレベルと同じレベルで叱る必要があります。
例えば別記事で、モンスターティーチャーの記事で書きましたが、
サッカーでシュートを決められなかった生徒に、裸でグラウンドを走らせる教師がいました。
この場合だと、問題のレベルが二通り考えられます。
1つは、生徒のスキルが未熟でシュートが失敗したということ。
この場合は行動レベルで、
「○○で蹴るからダメなんだ!もっとよく見ろ!」
という風に、技術的なことに叱るのが1つのやり方です。
またもう1つは、シュートを決められなかった理由が心の問題だった場合、
つまり、弱気になっていてシュートに失敗したということ。
実力以上の力を出せなかった場合は、能力レベルで叱ります。
例えば、
「お前の実力はこんなものじゃないはずだ!もっと強気で勝負しろ!」
という叱り方が1つのやり方です。
上の階層のレベルで叱る場合、肯定感を与えながら叱るというポイントを入れると良いでしょう。
上の階層ほどデリケートになるので、慎重に扱う必要があるわけですが、
肯定感を与えることでクッションのように和らげます。
しかし、裸でグラウンドを走らせるということは、単にアイデンティティーレベルで叱ることになるので、叱ることに意味はなく、それどころか人権侵害になってしまいます。
どんなに叱る必要があったとしても、人格を否定するような叱り方になることはないはずです。
「だからお前はダメなんだ!」
と、行動や考え方ではなく、人格や存在を否定する叱り方をしている人は要注意です。
大人でも傷つける叱り方ですからね^^;
叱らなければならないと判断した時、どのように叱るのかを考えることは大切ですが、
毎日生活していると、突発的に叱る場合も出てくるのは珍しくありません。
そのように考える時間がない時は、叱った後に、
今の叱り方は良かったのかどうか振り返ってみるとよいでしょう。
そして、叱り方を間違えていた場合は、子どもにきちんと謝ることも大切です。
いつまでも感情で叱っていては、子どもから信頼感がなくなってきますし、叱る力はつきません。
誰でも、叱り方を間違えることはあるものです。
しかし、その時に反省することで叱り方が上手になっていきます。
失敗することも恐れずに、上手にコミュニケーションのとり方を考えていきましょう。