思春期の子供は、扱いが難しいですよね^^;
親への反抗心が出てきて、言うことを聞いてくれないどころか、親の心配をよそにわざと反対の行動をすることさえもあります。
今までの子供扱いが通用しなくなりますが、かといってまだまだ自分の行動に責任がとれるほど一人前でもありません。
色々と葛藤している難しい時期なんですね。
そんな思春期の子に論理的に話して説得しようとしても、聞く気がないのであまり効果はありません。
そういう時にこそ子どもとの接し方として知っておきたいことが書かれているのがこの本。
世界的ベストセラー『子どもの話にどんな返事をしてますか?』の思春期版です。
この本では、特に「共感すること」の大切さがたくさん語られています。
子どもの気持ちを批判せずに共感する
自分の話が否定されたら嫌な気持ちになりますよね^^;
相手の話を否定することは、相手を嫌な気持ちにさせます。
何が正解か、ということの前に、どういうコミュニケーションをとるかも大切です。
それができていないと、お互いに言い合いになり、何の解決もしないままわだかまりだけが残ります。
コミュニケーションを円滑にするためには、まずは聞いて共感することです。
相手の気持ちをわかってあげると心を開くからです。
特に、意見が違うもの同士の話し合いでは効果的です。
これは子どもに限らず、大人でも一緒です。
でも、明らかに相手が間違っていると思っていたら、とたんに共感することが難しくなりますよね^^;
特に子どもの場合、自己中心的だったり誇張された主張をすることも多いでしょうから、共感する前に説教したくなると思います。
例えば、授業でやり残したことがあって、それを宿題にされた子がいたとします。
それで先生に対して、
「自分にだけこんなにたくさん宿題出すのは不公平だ!」
と怒っています。
そういう子には、
「授業中にやり終えていれば、持ち帰る必要はないでしょ!」
と言いたくなりませんか?^^;
子どもにしてみれば、そう言われても仕方のないことをしているわけです。
理屈はごもっともなのですが、こういう言い方は「共感」ができていません。
「共感」というのは、相手と感情を共有するということです。
間違っている事実を指摘してそれを正そうと議論するのではなく、出来事に対して生まれた気持ちを理解するのです。
なのでこの場合は、「たくさんやることがあって大変だ」という気持ちを理解するのが共感です。
「やることがたくさんあって嫌だよね。全部1日でやらないといけないの?」
といったことが共感の言葉です。
大切なのは、子どもがそう感じたのなら、子どもにとっては本当にそうだったということです。
「子どもにとっては」というのがポイントです^^
「不公平」だと言っているのなら、実際に「不公平」な扱いを受けたかどうかではなく、「不公平」と感じている、ということなんです。
起こした行動、これからやろうとしている行動はどうあれ、まずは不満を受け止めること。
それから子どもの提案を待っていれば、子どもは自分の意志で自主的に軌道修正した行動をします。
最初から頭ごなしに否定した議論は、感情的になっている子にしても聞いてくれません。
幼い子とは違って、思春期の子は何をすべきかは本当は分かっていますので、あれこれ指示する必要はありません。
ただ、感情が処理されないままだと判断を見失うのです。
そんな時こそ親の役目。
感情そのものだけを受け止めることはできますよね^^
自分はそうは思わない、という場合でも、
「○○されたから○○と感じてるんだね」
と、理解してあげることは出来ると思います。
子どもの気持ちに共感を持って接することは、テクニックを学ぶだけではできません。
これは、子どもへの思いやりと誠実さがあってこそできることです。
なので、うまく使えこなせない時は、
- 子どもへの思いやりは持っているか
- 自己満足で想いやっているつもりになってないか
と、自分を省みてみるのもよいかもしれません。