2012年6月5日放送の「教科書に載せたい!」で、教育での一番の悩みどころ、「スパルタ vs 自主性」どちらが良いか?というのをやっていました^^

結論から行くと、私はこの問題は、根本は一緒で手段が違うだけだと思っていますので、どちらが良くてどちらがダメというものではないと思っています。
どちらも良い部分、悪い部分がありますし、中途半端にするとダメになってしまうのは同じですからね^^

そのことを具体的に知るのにちょうど良い内容が「教科書に載せたい!」で紹介されていました♪

内容は高校ラグビー部の先生の話です。
全国の高校生ラガーマンはラグビー版の甲子園「花園」を目指しますが、福岡には筑紫高校、東福岡高校という2校の強豪校があります。

厳しい言葉で奮い立たせ、半ば強制的でも練習させるスパルタ式の教育をする、筑紫高校の西村寛久監督。
そして練習は楽しむもの、選手自ら考えさせ、やる気になるまで待つという自主性重視の教育をする、東福岡高校の谷崎重幸監督。

花園へは県大会優勝校の1校しか行けないわけですから、「スパルタ vs 自主性 」を巡る教育論の話にも広がっていくわけです。

この二人の監督を追ったドキュメンタリーは、福岡のRKB毎日放送で

  • 「未来へのノーサイド」ムーブ 年間大賞
  • 「ALL for ONE!」JNNネットワーク協議会 エンターテイメント部門 奨励賞

と、2回にわたり賞を受賞しているそうです。
そのうちの1つ、「ALL for ONE!」がネット上にありました^^
子育てをしている方はぜひご覧になって頂きたい内容です♪

ALL for ONE! 筑紫高校 魂のラグビー

動画は全部で7つ。合わせて45分ほどで長いですがご覧下さい^^

「ALL for ONE! 筑紫高校 魂のラグビー」vol.1(8:47)

「ALL for ONE! 筑紫高校 魂のラグビー」vol.2(7:40)

「ALL for ONE! 筑紫高校 魂のラグビー」vol.3(9:25)

「ALL for ONE! 筑紫高校 魂のラグビー」vol.4(5:02)

「ALL for ONE! 筑紫高校 魂のラグビー」vol.5(5:27)

「ALL for ONE! 筑紫高校 魂のラグビー」vol.6(4:54)

「ALL for ONE! 筑紫高校 魂のラグビー」vol.7(5:45)

二人ともお互いを尊敬し合って良い指導者達ですね^^

スパルタ式教育の良いところ悪いところ

スパルタ式というと、今の世の中の流れではあまり良くないものという感じがあるのではないでしょうか?
有無を言わさず強制的に無理やりさせると性格がひねくれてしまったり、逆に自信を無くしてしまったり・・・
そのように考えてしまうと、スパルタ教育をするのが怖くなってしまいますよね^^;

しかし、出来るだけ早いうちに何らかの試練を乗り越えることを経験しておかないと、社会に出た時に突然来る高い壁を乗り越えることは難しいでしょう。
何かをやる前に言い訳がでるようになってしまうんですね^^;

若いうちに厳しい試練を乗り越えてきた人は、何事でも「やればできる」という強い気持ちを持つようになります。

有無を言わずに強制させることは、その時の自由はないかもしれませんが、厳しい試練を乗り越えた後につかんだものは格別な感動がありますし、たとえ勝負に負けたとしても、努力して経験することや、1つの物事に打ち込む力を身につけることができます。
それを身につけることができれば一生ものですよね^^

しかし、ちょっと厳しいからといって諦めてばかりいたり、妥協ばかりしていると、チャレンジ精神は育まれません。

スパルタ指導する場合、指導する側が目標信念を持って真っすぐぶつかり、全力で受け止めていく熱い姿勢も必要です。
中途半端に感情論でヒステリックに叱ったり、自分には甘く、子供には厳しくしているケースも見受けられますが、このやり方でやると、ひねくれてしまう子が出てくるんですね^^;

筑紫高校の西村監督は、

「人間は甘えの動物だから、厳しいことを言わないと、逃げてしまったり妥協してしまったりする。
自主性の前に、猛練習で実力と自信をつけるのが最優先。
この子たちが花園に行くためには鬼になるという気持ちでやっている」

というようなことを言っていました。

一切の妥協を許さない指導なのですが、自身が高校生の時にスパルタ指導で花園に行った経験があり、その経験が人生を変えたことを知っているので、その感動を子供達にもそれをあじあわせてあげたいのだそうです。

無駄に厳しいわけではなく、厳しくともきちんと愛情を持って接しているので、叱る部分は的確です。
OBとなった元生徒達も、色々なことを教えていただいたと尊敬の念を持っていました^^

スパルタ教育のメリットを語る上で「守破離(しゅはり)」というもがあります。
武道や芸能など世界で良く使われる言葉なのですが、

  • 「守」:師匠の教えを忠実にまもること。
  • 「破」:今まで学んで学んだ教えを極めた後、それを知った上でその型を破ってその上を目指すように努力すること。
  • 「離」:「破」の段階を卒業して、オリジナルの道を進むこと。

これは武芸や芸能だけでなく、学んだり何かを身につけること全てにおいて言える原則みたいなものです。

スパルタはまず「守」の部分を徹底させるということ。
決して今の時代に適しないわけではありません。
目的を失ってしまうとダメになってしまうのです。

自主性教育の良いところ悪いところ

生徒の自主性を信じる、東福岡高校の谷崎監督は、

「勝ちだけにこだわらない、試合のプロセスを楽しむ」

ということを大切にしていました。
生徒を呼んで、笑顔を作ることを指導するなど、スポーツでは考えられない指導ぶりですね^^
そのおかげもあって、生徒たちは笑顔で伸び伸びプレイしている印象を受けました♪
根性論や厳しい言葉はなく、指導はキャプテンにイメージを伝え、選手が自主的に考え実行するんです。

スパルタよりもこっちの方が良いな~♪なんて思ってしまいますが、生徒の自主性を重んじるのは、スパルタで教えるよりも難しいですね^^;

"自主性"というのは、自分の好き勝手することではありません。
何かにチャレンジする時、自分の頭で考えて行うことです。
自分で考えるかわりに、そこには"責任"も伴います。

なので、「チャレンジしよう!」という気持ちがなければ何も始まりません。

指導する側は、単に優しくするだけでなく、子供を信じ続けることと、自主性を発揮するのを辛抱強く待つことができなければなりません。
全くノータッチだとだだの放任で自主性を発揮する機会もなかなかありませんから、適度な加減で後押しする必要がありますね。

谷崎監督も、

「与えすぎて嫌気がさしたらダメ。
腹八分目くらいで「もうちょっとしたいな」という部分を残してやらないと自主性・主体性は出てこない」

と言っていました。
その微妙なさじ加減がコツといったところですね^^
色々な工夫や配慮がないとうまくいかないから難しいわけです。

与えきれなかったら、一歩を踏み出すチャンスが遅れたり、踏み出すことすらできなかったりすることがありますし、与えすぎるとやらされている感が出て自主性は出てきませんからね。

スパルタ教育も自主性教育も根本は同じ

スパルタ教育と自主性教育は、手段としては正反対の教育法に見えます。
しかし、子供達に愛情を持って接するのはどちらも同じですし、目標を持っているのも同じです。
目標に向かうための手段が違うだけなんですね^^
なので、どちらの手法が良い、どちらが悪いというものではありません。

しかし、どちらも中途半端にやってしまうと上手くいかないでしょう。
なんとなく厳しくしといたほうが良いとか、逆に自由にさせた方が良いと考えて接していると、どこかで歪みを生じるものです。
目標と信念を持って、子供達にきちんと向き合うことが大切だと思います^^

正解はこれ!というものはありませんので、上の動画を参考にしながら自分が感じたことを大切にしたいですね^^