2011年3月26日放送の「世界一受けたい授業」で、
池上彰さんが、「5歳までの幼児教育が子供の年収を左右する」という
興味深い内容を紹介してくれました。
OECDが3年に1度行っている国際学力調査があるのですが、
日本は以前、科学や数学はどちらも1位、2位を争っていました。
しかし、それがだんだんと下がってきて、2009年度調査では、
数学は9位、科学は5位になってしまっているんですね。
上位に出てきたのは、上海、シンガポール、香港、フィンランドなどです。
これらの国や地域は、いずれも教育の面で有名になっていますね。
何が違うのか?というと、いずれの国も、5歳までの幼児教育に力を入れているんですね!
5歳までに知的好奇心を深めたり、読み書きの基礎を教えたりすることで、
その後、学ぶ意欲や能力が伸び安くなるというわけです。
最近では脳科学の発達が進んだことで、
言葉や数字の学習、情緒面の教育を司る脳の機能の多くは
4歳までにピークを迎える事がわかってきています。
だからこそ、学校に通う前の教育って大切なんですよね。
幼児教育ってどんなもの?
では、幼児教育というのはどういうものでしょう?
多くの人は、算数を勉強したり、感じを勉強したりといった、
学校でやるものを想像するかもしれません。
確かにそういうものも教育には入っていますが、
一番大切なのは遊ぶということです。
ただし、"遊ぶ"と言っても、気ままに遊ばせるのとは意味が全く異なります。
ポイントは、考える力を養う遊びをさせるということです。
例えば、アメリカで放送されている「セサミストリート」は、
実はアメリカの教育省が支援している番組なのですが、
この番組は、子供にいろいろなことを教える目的で作られています。
そして子供達は楽しみながら覚えているんですね^^
こういう番組の放送が始まって、次の年に子供にテストしたところ、
子供達の言葉の数が増えたり、数を数える力があがったというデータもあります。
日本では、幼児教育をしようとするとお金がかかりますので、
このような環境を整えるのは、国のサポートが不可欠ですね。
国のサポートがしっかりしていれば、教育環境が整いやすくなるのは間違いないのですが、全て国が対処するのを待つのではなく、親自身が工夫して環境を整えてあげることも大切です。
国際学力調査で上位に上っている国は、
国の対策だけでなく、親のサポートもしっかりしているという結果も出ていますからね^^
5歳前の2年間、幼児教育を受けた子供達と受けなかった子供達の比較
アメリカで、5歳前の2年間の幼児教育を受けた子供達と、
教育を受けなかった子供達を比較した調査結果ところ、面白い結果が出たそうです。
5歳時に学習準備ができている
- 幼児教育を受けた子供:67%
- 幼児教育を受けていない子供:28%
14歳時に基礎学力がある
- 幼児教育を受けた子供:49%
- 幼児教育を受けていない子供:15%
高校の卒業率
- 幼児教育を受けた子供:65%
- 幼児教育を受けていない子供:45%
40歳時の年収2万ドル以上
- 幼児教育を受けた子供:60%
- 幼児教育を受けていない子供:40%
40歳までの逮捕歴5回以上
- 幼児教育を受けた子供:36%
- 幼児教育を受けていない子供:55%
この調査の仕方自体がアメリカらしいですが、
5回以上の逮捕歴、というのが一番アメリカらしいですね^^;
幼児教育をして就学する準備を行うことで、
学習する時にきちんと学習できるようになります。
しかしその準備が出来ていないと、後手後手に回ってしまうということですね。
さらに、幼児教育の影響は、単に学力をつけるというよりも、
さまざまな「非認知的」能力(制心や粘り強さ、気概など)を伸ばすのに効果があるようです。
これらは目に見えないもので、数値で測ることは難しいですが、
まさに人生の基盤を担っているわけですね。
おそらく、幼児教育が一番進んでいる国は、フィンランドです。
フィンランド式教育の本はいくつか出ているので、
子育てに携わっている方は何冊か読んでみることをオススメします。
良い部分を普段の教育に取り入れてみるとよいでしょう。