妊娠中、普段の食事は何にするのか、子供に与える影響を考えると大切ですよね。
お母さんが食べたものは、全て子供に影響を与えます。
だから妊娠中の女性は、どんなものを食べるとどんな栄養が摂れるのか、敏感になりますよね^^

今回はその中の一つ、葉酸について。

妊娠中は葉酸が大事っていうのは有名ですよね。
2002年度から母子手帳にも「葉酸を摂りましょう」と書かれるようになりました。
わざわざ指名して書くくらいですから、とても大切なんです。

葉酸は妊娠中に限らず老若男女だれでも必要ですが、妊娠期は特にたくさん必要なんですね。
意識して摂取した方が良いのです。

そもそもなぜ妊婦に必要と言われているのでしょう?

葉酸ってどういうもの?

葉酸は、「ビタミンB9」ともいわれる、水溶性のビタミンB群の一つです。

身体の中の細胞の生産や再生を助けたり、赤血球の生産を助け造血を促す作用があるんです。
葉酸が欠乏すると細胞が分裂して増えませんし、貧血になってしまいます。

もちろん赤ちゃんの成長にも欠かせないものなので、妊婦はたくさん摂る必要があるわけですね^^

そして、その働きは赤ちゃんの成長のためだけではありません。
なんと葉酸が赤ちゃんの先天異常のリスクを軽減するという研究結果がでているんです。

厚生労働省の妊産婦のための食生活指針の中にも書かれています。

ここでいう先天異常というのは、神経管閉鎖障害、つまり、脳や脊椎の異常のリスク軽減ですね。
こういうもののリスク低減が、先ほどの厚生労働省の資料で報告されています。

  • 二分脊椎症:背骨が体内で発生する途中で、背中の中央の脊椎弓(せきついきゅう)のくっつきが不完全だったために、左右に分裂している病気。
  • 無脳症:神経管の上部でへ一生涯が起きると脳が形成不全となり、体は赤ちゃんらしく成長するも、頭部はほとんど形成されない病気。

特に二分脊椎は近年増加しているそうです。

その要因の見方の一つに、葉酸を摂取している量に個人差が出て、普段から摂取が不十分な人が増えているのでは?というものがあります。

今は豊富な食材の中から作るものを選べる豊かな時代ですから、葉酸があまり入っていない食事をすることも珍しくないんですね^^;
だから、意識して摂ることが必要なんです。

ここでは葉酸欠乏による話にとどめていますが、葉酸を摂れば完全に予防できるのかというと、そういうわけではありません。
先天異常になる要因は他にもあるからです。

でも、葉酸を摂取することでリスクが低減されることが報告されているので、葉酸は意識して摂る必要があるのですが、一番大切なのは、葉酸をはじめとして栄養バランスを考えた多様な食事です。

食育って大切ですね^^

葉酸が含まれている食材

葉酸が含まれている食材は、レバー、緑黄色野菜、果物などがあります。
ただ、レバーは葉酸は多いのですが、食べ過ぎるとビタミンAを過剰摂取してしまうので、胎児に奇形を起こす可能性も指摘されているんです。

なのでその他の食材で100gあたりに含まれている量で紹介すると、

  • うなぎ(きも):380μg
  • うに:360μg
  • えだまめ:260μg
  • モロヘイヤ:250μg
  • パセリ:220μg
  • めキャベツ:220μg
  • からしな漬け:210μg
  • ほうれんそう(生):210μg
  • あさつき:210μg
  • なばな:190μg
  • よもぎ:190μg
  • しゅんぎく(生):190μg
  • アスパラガス:180μg
  • そらまめ(ゆで):120μg
  • ブロッコリー(ゆで):120μg
  • ほうれん草(ゆで):110μg

※五訂日本食品標準成分表)より 

などがあります。
結構ありますね^^

ただ、あとで1日に必要な量を紹介しますが、実際それを満たすように食べるとなると大変です。

ビタミンB群は水に溶けやすい性質があるので、鍋とかで煮たりすると溶けてしまうんです。
また、熱にも弱く長期保存による酸化でも壊れてしまう繊細さもあります。

溶けたり熱したりすると50%近くが分解してしまうそうなんですね。

サラダなどの「生」のものが良いのですが、同じものを毎日食べていると栄養が偏りますし、毎日必要な割にはなかなか摂取しにくいものなんです^^;

葉酸はどれくらい摂ったら良い?

葉酸は水溶性なので尿で排泄されます。
体内への蓄積性が低いビタミンでもありますので、基本的に毎日摂ることが必要です。

その上で1日どれくらい摂ることが推奨されているか?というと、

  • 成人男女:200~240μg/日
  • 妊娠計画中女性:400μg/日
  • 妊婦:400~440μg/日

※μg(マイクロ・グラム)はmg(ミリ・グラム)の1000分の1

とされています。
妊娠前から摂る必要があって、普通の人の倍近くは摂らないといけないという感じですね。

ちなみに1,000μgを上限としています。

厚生労働省の資料によると、過剰の場合に発症する疾患は特に知られていないと書かれていますが、生まれた子どもがぜんそくになったりするという別の報告もあったりするので、過剰摂取にならないように注意は必要ですね。

葉酸サプリメントは上手に利用する

最近は葉酸サプリメントなど便利なものもあって、手軽に葉酸を摂りやすくなりました。

サプリメントは"薬"ではありません。
栄養補助食品です。

薬のように「妊娠中だから避ける」というものではないんですね。
普段の食事だけでは足りない栄養分を、サプリメントで補うわけです。

基本的には食事で栄養を摂った方が良いのですが、妊娠中だからこそサプリメントを使うメリットもあります。

例えば、妊娠中はつわりがあったり、体調が悪かったり、味覚も変わります。
赤ちゃんのためにたくさん食べようと思ってもなかなか食欲がないこともあると思います。

そんな時にせめてサプリがあると、ほんの少しゴクンと飲めば良いだけなので、無理して食べなくても良いですし、栄養面に関してはひとまず安心ですよね^^

安易にサプリに頼り過ぎたり、必要栄養量を越えるほど摂り過ぎたりするのは過剰摂取にもなりかねないので問題ですが、摂取量を考えた上手な使い方をすれば、大きなメリットになると思います。

でも、そもそも普通の食品の中にも良い食品と悪い食品があるので、きちんとしたものを選びたいですよね^^

サプリを選ぶ時の注意点としては、1粒にどれくらい入っているのか、含有量がわかりやすいものを選ぶようにしましょう。
それが書かれていないものは危険ですので避けて下さい^^;


葉酸はいつからいつまで必要か?というと、特に大事な時期は、妊娠1ヶ月前から妊娠初期(妊娠3ヶ月くらい)。
早い方が良いということですね^^

その頃が先天異常を低減させるのに大事なのだそうです。
妊娠に気づくのが遅かったとしても、気づいた時点で早めに摂取するのも良いそうです^^

特に妊娠を計画されている方は、今からでも意識して、普段以上にバランスの良い食事を心がけた方が良いでしょうね。

また、サプリメントは「必ず必要」というものではありません。
「あったら便利」なものですし、食事で満たせるならなくても構いませんが、満たせないならあった方がよいでしょう。

なので、食事だけで頑張るのも良いですし、体調が悪くて食欲がない時だけサプリメントを利用するなど、臨機応変に使うのも良いと思います。